45歳・女性

不平等な生前贈与が発覚しました

ご相談内容

母が先日亡くなりましたが、相続人は私と姉の二人です。母が亡くなった後、遺品を整理していたところ、通帳類が出てきたのですが、残高はほとんどゼロで、遺産はない状態でした。しかし、母が生前私に話していたことなのですが、未婚の姉の行く末が心配だとのことで、姉にいくらか贈与したようなのです。その額や時期には心当たりはありませんが、姉だけが生前贈与されていることについて、納得がいきません。

解決方法

まず、本当に生前贈与がなされたのかどうか、また生前贈与されていた場合にはいくらだったのかを被相続人の銀行取引履歴などから追跡する必要があります。余りに古い取引履歴については銀行も既に破棄してしまっていますが、今回の相談事例では被相続人のなくなる5年ほど前に定期預金約500万円が満期で払い戻されていることがわかり、しかも、その満期払戻金が被相続人の預貯金口座の何処にも組み入れられていないことから、おそらく姉に贈与されているのではないかということの当たりをつけることができました。
生前贈与については、それが相続人に対してなされる場合には、1年以上前になされたものでも遺留分算定の根拠とすることができます。
そこで、姉への生前贈与も相談者の遺留分を侵害していることになるので、侵害された遺留分(今回は生前贈与の額500万円がそのまま遺留分算定の基礎となる財産となりますので、その額に遺留分割合である2分の1を乗じて、さらに相談者の相続分である2分の1をかけた額125万円)の取戻しを請求できることになります。
ただ、今回の相談事例では、相談者としても姉と全面戦争してまで全額を取り戻す気はなかったことから、100万円の支払いを受けることで早期解決しました。
訴訟ともなれば姉が満期払戻金を受け取ったことまで証明しないといけませんが、姉の預貯金口座の履歴開示となると、個人情報保護の問題もあって困難に直面します。この点の立証の困難性も考慮して、本来の遺留分侵害額よりも少なくなりましたが、十分な利点のある解決となりました。