30歳・男性

遺留分請求の時効間近ですが、母と妹は遺産の開示をしてくれません。

ご相談内容

祖父が先日他界しました。祖父には子(私の父)がいましたが、父は祖父よりも前に亡くなっていますので、相続人は私と私の妹だけです。祖父は生前に遺言書を残しており、遺言書には、生前に世話をしてくれていた母(私の父の妻)と妹に2分の1ずつ財産を残すと書かれていたようです。母や妹と事を荒立てるつもりはないのですが、何一つ遺産がもらえないことには不満があります。遺留分減殺請求権というのがあるということは調べて知りましたが、祖父とは疎遠だったため、祖父の遺産がどれだけあるのか検討もつきません。母と妹は私のことを警戒して、一切遺産に関する情報を開示してくれません。時効消滅の日も近づいてきているというのに、遺産の範囲も不明なままで遺留分減殺請求できるのでしょうか。

解決方法

時効中断のために内容証明郵便により遺留分減殺請求の意思を通知しておき、その後、祖父の生活圏にある金融機関に死亡時の残高証明書や生前の取引履歴を取り寄せました。また、祖父名義の固定資産課税台帳の交付手続きを申請しました。これらにより一部の情報については入手することができましたが、まだ発見されていない遺産の存在が疑われたので、家庭裁判所に調停を申し立て、その手続きの中で調停委員からの説得を利用して、母や妹から相続税申告書の控えを開示してもらうことに成功しました。調停委員からは依頼者に母や妹に対する敵対心がないことも伝えてもらい、遺留分額満額を依頼者に支払ってもらうという内容で円満に解決しました。